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DAY2:天国へと続く棚田

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バナウェ行きのバスは猛烈なエアコン。常夏のフィリピンで長袖を二枚着た上、ゴアテックスを上下着込んで乗り込んだのにそれでも寒かった。他の乗客もバスが寒いのは承知だったようで、みんな毛布やマフラー持参で乗り込んでいた。ある程度覚悟はしていたけれど、ここまで寒いとは。
 
そんな中でもぐっすりと寝て、朝6時にカーテンの隙間から差し込む朝日で目が覚める。周りはすっかり山に囲まれていて、緑が目に鮮やかだ。連続して二つの台風が来ているようで予報は最悪だったけれど、今のところは問題ないみたい。
 
バナウェのバスターミナルに到着したら、なんとイフガオ族の知人の知人が迎えに来てくれていた。David、最初は怪しい人だと疑ってごめんね。
 

とりあえず予約していたバナウェホテルに向かい、おなかをみたす。ちょっと豪華なフィリピン風朝食。 

 
午前中はバイクを改造したトライシクルに乗り、バナウェの街を散歩する。マニラでもバナウェでもこのトライシクルがよく走っていて、庶民の足になっていた。バイクに二人、横のサイドカー座席に二人座れるのでバイクで四人乗れることになる。安全性とスピードはさておき、二輪で四人が移動できるのは、なかなかすごい。
 
 
街が本当に狭くて10分も歩くとすべて見れてしまうくらい。そんな街の一角でビンロウを売っていたので買って試してみた。東南アジアの田舎に行くとみんな噛んでいるあの赤いやつだ。
 
こちらがビンロウの実。この中の実をとりだして、
 
 
石灰みたいな白い粉を入れて
 

葉っぱでくるんで口にぱくっと入れる。

味はお世辞にも美味とは言えないのだけど、しばらく噛んでいると舌がしびれるような感覚がしてくる。なるほどーみんなこのなんというかしびれるような感覚を味わいたくて噛むのか、ボリビアで噛んだコカの葉みたいだ。気がつくとビンロウの繊維とか葉っぱとかが口の中にたまってきたので、ペッと吐き出す。すると吐き出したつばの色が見事なまでに朱色になっていた。

午後はDavidに案内してもらい、棚田が見渡せるビューポイントに向かう。バナウェを含めたコルディレラ地方の棚田は総面積では世界最大の面積と言われていて、世界遺産にも指定されている。 バナウェで森林官をしているDavidの話によると、イフガオ族は中腹に道をつくりその上は水源として森を守り、谷に近いところに棚田を作ってきた。森で育まれた水が先祖代々受け継がれてきた水路を伝って棚田に流れていく。

このあたりの棚田は紀元前からイフガオ族によってつくられ、各家々で長男が棚田を相続しているらしい。耕作放棄によって危機遺産にも登録されてしまったけど、このあたりの棚田はしっかりと維持されていた。"Stairway to heaven"と言われているだけあって、芸術品のようだ。 

Davidの案内で谷まで降りて、棚田を歩いてみる。谷の向こう側には道路がないので、子どもたちは毎日谷を上り下りして通学しているらしい。道沿いに先祖代々守られてきた山の上から引かれた用水路が流れている。

熱帯のフィリピンだけど、このあたりは標高1,400mくらいあるので米がとれるのは年に一回だけ。間近に迫った収穫の時期にむけて、ぎっしりと中身が詰まった稲穂が風に揺れていた。

夜、台風接近のニュースを見ているとなんと中心気圧920hpだとか。うわ!なんてこった。イフガオを直撃するわけじゃないけど、かなり近くを通るらしい。(ちなみにフィリピンを通ったあと日本にも上陸した台風18号)。明日の朝は早めに起きてマニラに戻ろう。

Written by shunsuke

2009年10月9日 @ 1:03 午後

カテゴリー: 2009/10 Ifugao

2件のフィードバック

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  1. 棚田もこうしてみると迫力がありますね。森をちゃんと守ってきた歴史が作る世界。これからも残りますように。真上からの写真はセスナにでも乗って撮ったのですか?

    裕子

    2009年10月10日 at 6:19 午前

  2. > ヒロコさん真上からの写真は谷につくられた棚田を谷の反対側の上のほうから撮ったんです。たしかにセスナに乗って撮ったようにみえますね。フィリピンの北部は、ここのイフガオ族のように少数民族が守ってきた歴史が残っていて興味深かったです。

    Shunsuke

    2009年10月10日 at 6:07 午後


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